これが大人のスキップだ

ボウズ、よく見ておきな

離れペアルック

 

会いたい人に会えないすべての皆さんに、「離れペアルック」のご提案です。

 

 

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※この記事はデイリーポータルZ新人賞に応募するものです

https://dailyportalz.jp/special/rookie2020/

 

 

 

会えない日々に飽きてきた 

 

口を開けば「まさかこんな世の中になるとはね」と言い合う日々だ。

いままでは遠くて会えない人のことを「会いたい人」だと思っていたが、近くに住んでいて気兼ねなく会っていた人も、会いたかったから会っていたんだよなあ、と強く実感する。近くに住んでいる人とオンラインで会話をするのも、はじめは違和感があったが今はすっかり慣れた。

 

数か月過ごして、オンライン通話には飽きてきた。直接会いたいな、という気持ちが強まるばかりだからかもしれない。

別れ際に、じゃあね~と手を振りながらお互いにゆっくり離れていくことこそが「会う」の本質だったのではないか。

オンライン通話で繋がっても、お開きになって各々が画面から消えていったあと、ひとり残された自分の顔だけを見つめながら「いや、たしかに話はしていたかもしれないけど、やっぱりこりゃ”会う”じゃないんだよねえ」と毎回思う。

離れて暮らす彼氏にもしばらく会っていない。もっとこう、肉体に紐づいている感じの「会っている」実感が恋しいのだ。抱き枕を買う? ぬいぐるみを作る? うーん、そういう怨念っぽいのじゃなくて、もっとカジュアルでありながらグルーヴっていうか、友情をたしかめ合う的な青春っぽいやつが欲しくなってきた。

 

はっ。

 

ペアルックがあるじゃないか。

 

 

 

 ペアルックへの偏見を脱ぎ捨てる

みなさんは、これまでの人生でペアルックをしたことはあるだろうか。

わたしはない。

正直に言うと、ペアルックを小馬鹿にして生きてきた青春時代だった。

 同級生には、制服の上にお揃いのパーカーを着て学校へ来る子や、「双子コーデ」として髪を同じようなお団子にしていた子や、カップルで夢の国へ行きどぎつい色のキャラクターTシャツを着て写真を撮っていた子や、部活でお揃いのお守りを買ってみんなでつけている子たちがいたが、そういうの、ケッ。と思っていた。

 

しかしわたしも20代後半に差し掛かりすっかり大人と呼ばれる年齢である。高校生たちのことも、もう戻れないものとして眩しく眺めるようになった。すると、青春時代に小馬鹿にして経験しなかったいろいろのことを想い、勿体なかったような気がしてきた。

 

わたしが青春時代に「そういうのマジで要らないんで」と斜に構えて小馬鹿にしていたもののほとんどは、四季を120%楽しむためのイベントだったり、絆を深めあうためのものだったり、流行に乗るための行為だったはずだ。

ハロウィンに魔女のコスプレをするとか、期間限定のフラペチーノは欠かさず誘い合わせて飲みに行くとか、彼氏のためにミサンガを作るとか、仲良し同士で少女時代のダンスを覚えるとか。そういうものは全力で楽しんでおけばよかったのかもしれない。

 

ああ~っ! やっとけばよかった!

 

 Tumblrの格言bot的なもので見たからうろ覚えだが、

「何事も始めようと思い立った時に遅すぎることは無いの
その瞬間から始めればいいの
何年か後であの時始めればよかったって後悔するよりいいわ」

黒柳徹子さんも言っていた。

 

もう遅いなんてことはないはずだ。

よっしゃ! やるぞ、ペアルック。

 

しかも、並んで歩けば少し気恥しいペアルックでも離れていればきっと平気だろう。

恥ずかしさに気を取られることなくやってみたかったペアルックを存分に楽しめる。

こりゃ名案。「離れペアルック」と名付けよう。

 

 

 

ともだちと離れペアルック

離れペアルックするぞ!と決めて、何を着ようかと考えてすぐに思い当たった。

以前、SNSで見た晴海という年下のともだちのシャツがかわいくて真似して同じの買ってもいい? と連絡して通販サイトを教えてもらったことがあったのだ。わたしは岩手県に住んでいて、晴海は福岡県に住んでいる。これを買ったとき、晴海は「いつか会った時一緒にお揃いで着ましょうね~!」と言ってくれていたのだった。

久しぶりに連絡して「離れペアルックをしたい」と説明すると、なんですかそれ? と馬鹿にされることなく「楽しみです!」とこころよく承諾してくれた。

 

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左がわたしのシャツ、右が晴海のシャツである。本当に全く同じものを買ったのだなあ。黄色いチューリップがうるさくてかわいい。

 

 

いざ、ペアルック

 

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わたし「うおー! あっはっは」

晴海「わー! あっはっは」

 

お揃いだ!!!

わかってはいたがいざ画面を見ると笑ってしまう。

まったく同じ服を着たともだちが目の前にいる。

不思議な感じがするし、ぜんぜんめちゃくちゃ恥ずかしい。

 

晴海「同じ服着てるから自分がもう一人いるような感じがする」

わたし「全然恥ずかしいね」

晴海「恥ずかしいけど、うれしいですねえ」

 

 

ペアルックの思い出

 

折角なので晴海にペアルックの思い出やイメージを聞いてみた。

 

・小さいとき親が姉妹で色違いのパーカーを買ってきたので、気分によって二人で一緒に着ることもあった

・キティちゃんの健康サンダルを履いているカップルが想起される

・ニコイチ(ふたりで一緒、的な小学校時代に流行した言葉)のイメージ

・某夢の国ではペアルックの人がたくさんいるしぜんぜん恥ずかしくなさそう

 

 

わたしも「ペアルック」と聞いてすぐ某夢の国のことを考えていたので、背景をそれらしくしてみることに。

 

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うまく反映させることができず、晴海が城の一部になってしまった。

しかし、背景が浮かれていると結構恥ずかしさは軽減されるかもしれない。

 

 

離れペアルックのポイント1

恥ずかしかったら浮かれた背景にすると良い

 

 

その後はひさびさに顔を見合って話す機会だったので、


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お気に入りのマグカップを見せ合ったり


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 ぬいぐるみを見せ合ったりして、しばらく楽しんだ。

ともだちが自分と同じ服を着ているのは、はじめこそ気恥ずかしかったがだんだん慣れてくるとうれしい。

 

わたし「なかなかうれしいもんだね」

晴海「ありきたりですけど、繋がってる感ありますね」

 

通話を切った後も同じ服を着ているので、シャットダウンされたように感じるいつもより寂しくない感じがする。通話が終わった今も、晴海はチューリップのシャツを着ているんだなあ、と思いを馳せることができる。自分の服を見るたび、ふふふ、と思う。うんうん、この感じこの感じ。誰かと「会う」って、会った後もしばらく続くこの余韻だ。

いいじゃんいいじゃん!「離れペアルック」に確かな手ごたえを感じる。

 

 

 

 

彼氏と離れペアルック

よし、次はレベルアップだ。

ペアルックのイメージで一番強い「交際相手とペアルック」をやってみよう 。

 

もじもじしつつ、彼氏に「離れペアルックをやってみたいのですが」と連絡してみると「お、何着る?」との返事が。飲み込みが早すぎる。まさかペアルックしたことある側の人間だったのか。と咄嗟に思ってしまい、己のペアルックへのコンプレックスの根深さを思い知らされる。

「おしゃれなやつがあるじゃん、ハイブランドのやつとか」というので調べてみると、色を合わせたり、生地を合わせたり、一見で「バカップル」には見えないようなお洒落なペアルックがわんさか出てきた。

ペアルック専門店なる通販サイトまで発見し、しばらく眺めてしまう。

Tシャツ、パーカーだけでなく、ワンピースとYシャツのセットも多くとてもかわいい。パジャマや水着、下着まである。かわいいぞ、おお、こっちも……気が付けばどれを買うかで悩んでいる自分がいた。

 

自分の知らないペアルックの世界が広がっている。今まで馬鹿にしていたのは小中高生の世界での「全く同じものを着る」ペアルックだったような気がする。大人には大人のペアルックがあったのか。そうだったのか、ペアルック。いままでごめん、ペアルック。

 

 

離れペアルックのポイント2

おしゃれなペアルックもある

 

 

特にかわいいと思うものは、韓国や中国のもののインポートが多いようだ。もしかすると日本ではペアルックの市場がまだ積極的ではないのかもしれない。

 

数種類悩んで購入した。

 

 

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「ペア 夫婦 カップル お 揃い パーカー 冬 カップルお揃いコーデ パーカー レディース 冬 トレーナー メンズ ファッション カップル お揃い プレゼント 大きいサイズペアルック パーカー レディース おしゃれ ペアルック カップル お揃い 服 パーカー クリスマス プレゼント リンクコーデ ペア カップル ペアルック ブランド パーカー コーデ メンズ ブランド かわいい スウェット ワンピース トレーナー 人気 秋 冬 秋服 裏起毛なし」という名前の商品だった。とにかく検索に引っ掛かりたいという力強さを感じる。

こういう色白同士のシティーボーイっぽいカップルにあこがれていたのだ。

 

数日後、ペアルックが届いた。

 

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ぬおー。

思ったよりぺなぺなしたジャージ生地で、ジッパーもぎしぎししている……。

通販あるあるだ、気を取りなおそう。

でも、やはり同デザインでも服の形が違うだけで恥ずかしさはだいぶ軽減される。

借りていた漫画と共に彼氏のところへ送り、数日後にペアルックをした。

 

 

いざ、ペアルック



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はい。

うんうんうん。いい具合にバカップルって感じがしますな。

全く同じ服でのペアルックを晴海とした後だったこともあってか、自分の中に恥ずかしさを上回る余裕がある。

 

彼氏「これ思ったより安っぽいね、外じゃ着られないかも」

わたし「安っぽいというか、安かったんだよね実際」

彼氏「中学校のジャージっぽい」

わたし戦隊ものの研究員っぽい」

 

なんだろう、この感じは。

中学校のジャージと言われたからか、ふたりでこれを着ていることに特に疑問を抱けなくなった自分がいて、だから、ぜんぜん恥ずかしくない。恥ずかしく思えないというのもあまりよくないかもしれない。どきどきというか、高揚しないのだ。恥ずかしさにこそペアルックの良さがあったのではないか?

 

そう思っていたら、通話をしていると知らない母が「お風呂ですけど」と部屋をノックしてきたので大慌てした。死ぬかと思うほど心臓の音が大きくなる。扉越しに「今通話中!お風呂、後で入る!」と伝えて画面を見ると顔が真っ赤になっているではないか。

ペアルックがばれる! と思ったら全然恥ずかしい。そうだそうだ、ペアルックは他人に見られると恥ずかしいものだった。危ない、自分の中でのペアルックのハードルが下がったからってちょっとナメていた。やっぱりぜんぜん恥ずかしいです、ペアルック。

 

ただ、「離れペアルック」の良さはここにある。

この服で夕飯を食べていても、母は娘がペアルックをしていると気が付いていないのだ。画面を見ないと、ペアルックなのに、ペアルックだとわからないのだ!

ということは例えペアルックを着て街を歩こうとも、誰に見られようとも恥ずかしくない。だって、離れているんだもんね!

 

 

離れペアルックのポイント3

離れているから、周りの人にペアルックだと思われない

 

 

 

 

彼氏の眼鏡にPC画面の青い光が映ってハッカーっぽかったので「電気を消せばさらにハッカーっぽいかもしれない」と伝えたら

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謎の青い光を使って、さらに闇組織っぽさを出してくれた。

クローズアップ現代 -若者に忍び寄るインターネットの誹謗中傷ー」と名付けたら、そういうニュースによくあるイメージ映像にしか見えない。彼氏の犯罪者らしいうつろな表情がべらぼうにうまく、大ウケした。

オンラインでしかできないものまねが確立された。十八番にしよう。

 


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青い光はライブで使うサイリウムをつかったとのこと。

ライブでサイリウムが余ってお困りのあなた、ぜひお試しください。

 

 

 

 

 

大勢でペアルック

数日後、仕事でとてもつかれて、大勢とどんちゃん遊んだり居酒屋さんに行きたい気持ちに駆られた。ともだちを複数人集めてゆるっとオンライン通話でもするか。あっ、せっかくならみんなでペアルックをしようじゃないか。

 

2度の離れペアルックで、ずいぶんペアルックへの抵抗がなくなった。今度は思い切って大人数でペアルックをしてみたい。

はたして大人数でも「ペア」ルックと呼べるかどうかはわからないが、大事なのはノリと勢いである。

 

大人数だとどんな格好がいいだろうか……と思い悩みながらふと鏡を見ると、自分の格好がスティーブ・ジョブズのようだった。


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眼鏡、黒の長袖、ジーパン。この3点セットでどうだ。

二日前に友人各位に「眼鏡、黒の長袖、ジーパンでジョブズ会をやりますので木曜21時来られる人はどうぞ」と連絡をしたところ、それ以外特に説明もしていないのに結果的に8名の友人たちが集まってくれた。

金曜ならまだしも木曜の21時に、他に誰が来るとも知らない状態で8人も来るなんて、自分で言うのもなんだけど、わたしの交友関係は普通ではないような気がしてきた。

 

当日、部屋着からわざわざ着替えて黒長袖とジーパンをはき、コンタクトを外して丸眼鏡をかけて化粧を直していると、母が「出かけるの?」と尋ねてきた。「今から9人のともだちと全員でジョブズの格好をしてオンラインでおしゃべりをするんだよ」と言うと、「うちの変な娘がばかな会でたのしそうでよかったです」と言われた。いい母だなあ。

 

 

いざ、ペアルック


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まずはふたり来た。3人そろった時点でもうおもしろい。

「急いでジーパンに着替えました」

「ほんとに全員ジョブズじゃねえか」

「この時点で面白いのにあと6人も来るなんて」

友人たちが自分と同じ格好をしているだけで、なぜだかわからないがものすごく面白くて笑いが止まらない。笑っている間にもぞくぞくやってくるが、ひとり増えるごとにいちいち全員笑ってしまう。

「こんばんは~!やば!」

「うわ~~、マジなんですね」

「すげ~~~!」

と言いながら、いらっしゃいませとみんなで次のメンバーを迎え入れる。

 


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9人が揃った

 

こんなに大人数のペアルックになってしまった。

この9人は全員わたしのともだちだが、わたし以外の人同士の面識はほとんどない、という状況だ。「初めまして」よりも先に「ほんとにみんな同じ格好じゃん」というおもしろさが勝つ。「木曜の21時のこんな変な集いに9人も集まるなよ」と言い出すものがいてげらげら笑う。

 

「ぜんぜんはじめましてな感じがしないんですけど」

「うわ、そういえばはじめましてだった」

「そうなんだよね!なんでだろう」

「みんなこんな格好だからじゃないですか」

「たしかに……」

 

どうやらペアルックは初対面同士にも心をほぐすために効果的かもしれない。確実に一番最初の会話には困らないし、笑ってはじまる。こんな変な呼びかけに賛同する時点である程度ウマが合う人同士、ということもある。

 

離れペアルックのポイント4

初対面でもたのしい

 

面識もないのでそれぞれに自己紹介をしてもらう。山形や仙台や東京や京都や仙台や茨城や千葉からお集まりいただいたことが判明。どんな人か覚えるにも眼鏡で黒い服の人、とすると全員になってしまうので、いつも以上に見た目ではない部分を覚えようとする気がする。

 

ペアルック経験者は9人中3名。そのうち一人は、海外旅行した際におなじTシャツを着たことがあるのだという。「旅行だったら全然できるかも」という声もあり、やはりペアルックの本質は他人の目なのかもしれない。

色合わせなどのお洒落なペアルックのことはみんなも知っていて、「大人になった今めちゃくちゃペアルックしたい」という人もいた。わたしと同じように考えていた人もいたのかもしれない。

 

話をしながらあることに気が付いた。あ、これ、見えないなら別にGパン履かなくてもよかったのでは……。試しに聞いてみると、みんなちゃんと履いていた。えらい。えらすぎる。


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改めて見ると、すごい光景だ。もしこれが例えばフードコートで、9人がこの状態だったら確実に目立つだろう。それがゆるされるのが離れペアルックだ。

 

推しているお笑い芸人のだとか、リングフィットアドベンチャーを買ったとか、リモートワークの話だとか、コロナ破局(!)をしただとか、いろんな話で盛り上がった。初対面が9人集まっているにしては、もう長い間ともだち同士でいる者同士がするような話だった。住んでいる場所も働いている環境も何もかも違う。でも我々には、眼鏡で、黒の長袖で、ジーパンを履いているという共通点がある。これ以上の絆があるだろうか。

 

 

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スティーブ・ジョブズを意識してスマホで顔を隠して写真を撮った。

 

今度またやりましょう、そしていろいろと収まったらこの格好で居酒屋に集合しましょう、等と言いあって解散した。9人のジョブズがひとりひとりのジョブスになって、そして明日も仕事のOLに戻る。しん、とした部屋の中で、自分の格好に改めて可笑しくなる。会っていたことの余韻がしばらく消えず、布団に入ってもふくふくとしていた。

 

 

 

離れペアルックは「会った余韻」を作る

 

3度の離れペアルックを終えて、ペアルックはそれまでのオンライン通話と比べて「会った余韻」が残る点で、思った以上に効果的だということがわかった。

通話が終わったあと自分の服をまじまじと見つめるのは、たとえばみんなと別れた後に、さっきまでいた居酒屋さんでもらった飴を舐めているときのような、何とも言えない余韻がある。会話を閉じた後もきちんと「会っていたわたし」が残るような気がする。

密を気にせず会えるようになるまでの間、今しかできない「離れペアルック」かもしれない。そう思うと、すこしは「会いたい」気がまぎれる。

また会いたい友人同士でも、寂しい恋人同士でも、はじめまして同士でも、離れペアルック、おすすめです。